平成25年度 施政方針

更新日:2023年03月15日

公開日:2023年02月17日

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 施政方針とは、町政運営にあたり町長の町政運営に対する基本的な考え方や予算案および主要な施策について述べたものです。

平成25年度 施政方針

 平成25年3月4日(月曜日)、新宮町議会平成25年第1回定例会において、長崎町長(長崎のさきは「たつさき」)が平成25年度施政方針を述べました。

施政方針(PDFファイル)

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施政方針(本文)

  •  はじめに
  •  1.義務教育関連施設
  •  2.人が輝き―教育、子育て支援、保育、生涯学習、人権などの分野
  •  3.快適に暮らせる―土地利用、道路、交通、上下水道、環境、防災防犯などの分野
  •  4.元気なまち―産業振興、福祉、健康、協働、行政経営などの分野

はじめに

 本日ここに、平成25年第1回新宮町議会定例会の開会にあたり、新年度に臨む施政方針と主要施策の概要について申し述べ、議員各位のご賛同と併せて住民の皆様のご協力を賜りたいと存じます。

 私も、町長に就任して、2年が過ぎようとしています。3年目となる新年度は、公約として掲げた事項について一定の成果を出さなければならない年であろうかと思います。しかしながら、想像を超える急速な発展を遂げています本町の現状では、様々な行政課題に直面することが数多くあり、まずは喫緊の課題に対して確実に対応していきたいと考えています。

 さて、昨今の日本国内の状況を見ますと、昨年12月16日の衆議院総選挙において自由民主党が政権与党に返り咲いたことで、史上2番目の規模の補正予算が組まれるなどの景気対策が本格的になりつつあります。一方では景気動向を勘案するという条件付きながら消費税の増税や、相続税の基礎控除引き下げ及び所得税の最高税率の引き上げなどの増税も検討されています。

 このような経済対策や税制改正などの制度改正は、今や直接的に町行政、とりわけ町財政に対して大きな影響を与えることとなり、特に経済対策に伴う補正予算事業にあっては、年度末の通年事業が完了する段階での追加工事や急遽計画の見直しを必要とする繰越事業の発注など、第5次総合計画に基づくまちづくりを計画的に進めようとする上でのボトルネックとなっております。

 しかしながら、このような事業は少しでも有利な補助金を活用するために事業の優先順位や事業内容を変更する必要があることから、義務教育施設の建設についても事業の見直しを迫られることになりましたが、一つ一つを町議会に丁寧に説明することによって、最終的にはご理解いただいているものと思っております。町議会のご協力の下、結果的には当初の計画を大幅に上回る補助金の活用や用地費における一般財源の抑制など、大きな財政的な効果をもたらすものと期待しております。

 一方、平成25年度の国の一般会計予算案は、総額92兆6千億円となっており、25年度末の国債残高は750兆円となる見込みであり、国と地方を合わせた借金の残高が1千兆円近くにもなっています。そのため、地方交付税の概算要求額は、地方公務員の給与を国と同じ7.8%削減するように要請されている関係で、平成24年度より3,921億円少ない17兆624億円が要求されています。

 このように、地方交付税の圧縮傾向が続く中で、消費税の増税に伴う地方への配分や所得税の最高税率引き上げに伴う交付税配分比率の引き上げなど、地域主権を実施していく上で必要となる経費について、地方がどのくらい確保できるのか、今後とも国の動向を注視していかなければならないと考えています。

 さて、本町の新年度予算でございますが、冒頭に申し上げましたように、急増する児童を受け入れるための待ったなしの課題に対応する予算を中心に、老朽化する公共施設の維持補修を的確に行うこと、また、これも人口急増の影響によって著しく増加する福祉関係予算を確保することを念頭に編成いたしております。

 そのような中で編成いたしました平成25年度当初予算は、一般会計が79億8千万円と昨年の予算74億2千万円に比べ、5億6千万円の増額予算、対前年比約7.5%の増となりました。また、水道会計を含む9つの特別会計におきましては、総額46億円となりました。一般会計と特別会計を合わせた予算の総額は、125億8千万円と昨年の121億1千万円に比べ、4億7千万円、約3.9%の増額となっています。

 それでは、新年度における主要施策、新規事業、特徴的事業等についてその概要を特別会計を含めて説明します。

 説明の順番につきましては、先程から申し上げている最優先課題であります人口急増対策としての通学路整備を含めた義務教育関連施設につきまして、平成24年度からの繰越事業も踏まえてご説明させていただいた後に、昨年同様に第5次総合計画に掲げられたまちの将来像に従ってテーマ順に分けて申し上げたいと思います。なお、平成25年度の施政全般につきましては、事業費の多少に関わらず私の考え方や取り組み姿勢についても触れさせていただきたいと思いますのでよろしくお願いいたします。

1.義務教育関連施設

 まず、人口急増対策としての義務教育関連施設の整備についてでございますが、消費税増税前の駆け込み需要と売れ行きが好調なことを受けて中心市街地でのマンションが予想を上回って建設されることになっており、昨年の11月に直近のデータを元に予測したところ、新宮小学校と新宮東小学校の2校の児童数が平成32年度には2,845人となる試算結果が出ております。この結果に基づいて、平成28年4月には新設小学校を開校しなければならないということで、そのスケジュールに応じた、仮設校舎及び新設小学校の建設計画並びに各小学校の増築計画について総合的に検討し、その中で通学路の安全対策や学童保育所の計画などを定期的に町議会に報告しながら一体的に検討して参りました。11月の臨時会並びに12月の定例会でご承認いただきました新宮小学校仮設校舎リース料及び管理棟建替事業(総額7億6千万円)をかわきりに、25年度予算には、上府の牟田地区に新設小学校を建設するための設計費と新宮小学校の給食室改修工事費及び東小学校の仮設校舎リース料を計上させていただいております。

 また、学校関連といたしまして、新設小学校への安全な通学路を確保する上で不可欠となる北尾1号線の歩道設置事業及び緑ケ浜方面からJR鹿児島本線をまたいで安全に通学するための緑ケ浜歩道橋設置事業の設計等を予定しております。

 これらの事業については平成26年度、27年度に本格的な工事に着工することとなりますが、加えて、学童保育所の新築についても新設校の開校前には間に合うように整備しなければなりません。

 このように義務教育関連施設の整備については、それぞれの事業が平成28年4月の小学校の新設を目標として密接に関わっております。想定を上回る人口急増ではありますが、義務教育施設に児童が入学できないという最悪の事態は何としても避けなければならない訳でございますので、今後とも議員各位のご協力をお願いするものでございます。

 なお、予算計上はいたしておりませんが、小学校の状況からして、数年後には中学校の分離新設も必要となってまいります。既に調査検討には入っておりますが、25年度中には一定の方向付けを行っていきたいと考えています。

 それでは、第5次総合計画のテーマ順に分けて新年度の施策や事業について申し上げたいと思います。

2.人が輝き―教育、子育て支援、保育、生涯学習、人権などの分野

 まず、子育て支援についてでございます。

 新宮町の人口は1月末で27,275人となっており、近い将来30,000人を超えると推計しています。昨年新設したばかりではありますが、認可保育園は3歳未満児の受入れが難しくなっているため、来年にはつぼみ保育園の分園をJR新宮中央駅前に開園することにしています。この分園にかかる経費につきましては、国から新年度の補助金制度が示されなかったことから、平成24年度予算に計上いたしておりましたが、ここに至って同様の補助金が措置されるとともにその予算獲得の目処が立ったことから、新年度予算に組み替えるものでございます。

 また、本町の待機児童対策としては、分園2園と本園の定数増によって対応する計画でありましたが、12月の保育所申込状況を見てみますと、就学前児童の保育所入所希望率が20パーセントを超える状況となってきていることから、転入による増と保育需要による増の二つの理由によって急激に増加しており、本園の新設誘致を含めた検討を行っています。

 さらに、子ども・子育て関連3法が平成27年度から施行されたときには、町立幼稚園を含めた保育需要に対応しなければならないため、認可保育園及び公立幼稚園の今後のあり方についても25年度中にはその方向性を決めなければならないと考えており、そのための「子ども・子育て支援事業計画」を策定することにしております。

 一方、学校運営につきましては、各小中学校に学習支援員及び配慮を要するお子さんを介助する介助員を増員配置し、就学に不安のある児童生徒の受け入れ態勢の充実を図っています。

 社会教育施設としてのシーオーレ新宮とそぴあしんぐうは、経年劣化に伴う館の維持に係る工事が増加して参りましたが、新年度はそぴあしんぐうの外壁調査を行うなど、適正な館の維持に努めて参ります。

 昨年新たに設置しました人権推進室では、人権侵害の温床ともなる町民の生活困窮や労働実態を把握するために、「町民の生活実態調査」を実施し、今後の生活支援施策に役立てて参りたいと考えています。また、地域協働課においては、男女共同参画条例を整備するとともに、男女共同参画推進計画を策定することにしており、子育て支援と併せて女性が社会に出やすい環境を整えていきたいと考えています。

3.快適に暮らせる―土地利用、道路、交通、上下水道、環境、防災防犯などの分野

 まず、道路関係では、各区要望に係る道路補修工事費を増額して実施するとともに、社会資本整備事業として立花口地区の前田1号線及び立花口的野線の舗装改良を前年度に引き続いて重点的に実施します。また、橋梁長寿命化修繕実施設計委託料2橋梁分を計上しておりますが、今後全体で10橋梁分の設計を行う予定であり、老朽化に伴う対策を講じていくようにしています。

 公園関係では、維持管理に対する町民の皆様の協力を要請しているところではありますが、人丸公園の開園もあり、所要の維持管理経費を予算措置したところです。

 さらに、相島及び漁港関連では、昨年の災害によって露見した相島沖防波堤の鎖の腐食に対応するため、調査の結果劣化が認められる鎖について取り替えます。また、既に耐用年数を経過している町営渡船につきましては、航路調査を基に離島航路確保維持計画の策定を行っている段階であり、その結果次第では新船の建造についても検討しなければなりません。

 次に、下水道面整備につきましては、中央処理区内の管渠新設工事費4億円を予算計上していますが、執行残についても追加発注するなど、全体計画を早めていくよう努力いたしております。

 また、公共下水道普及率は65パーセントに達したため、し尿収集運搬業者への補償金は、昨年11月にし尿収集人口2千人を切ったことを受けて廃止することにしています。

 一方上水道事業では、東部地区の安定給水を目的とした立花口配水池が完成し、新年度は、公共下水道事業に合わせた老朽管の更新などの通年ベースの事業費を計上しています。

 また、昨年7月の九州北部豪雨によって福岡県南部では、甚大な被害が発生しております。新宮町においても土砂災害警戒区域の指定を受けているところもあり、災害の発生が予想されます。災害発生時においては、まず自分の命は自分で守る「自助」、それから地域の皆さんとの協力による「共助」が大切です。この意識を高め、行動ができるようにしてもらうために今後も継続して各行政区での自主防災組織の設立をお願いしていきます。

4.元気なまち―産業振興、福祉、健康、協働、行政経営などの分野

 産業振興に関しましては、イケアの進出によって多くの来町者があることから、観光振興計画を作成して、このイケアの来町者を観光や物産販売に結びつけるなど、町全体の活性化に繋げることについても検討したいと思います。また、今年度観光協会設立準備委員会を立ち上げておりますが、新年度は新宮町の観光施策全般についての検討を重ねた後に、観光協会として再度立ち上げるために努力して参ります。

 福祉全般としては、地域の高齢者、障がい者、子育て家庭などの在宅支援又は自立支援を目的として、地域福祉計画及び地域福祉活動計画を策定します。この計画では、行政と協力して社会福祉協議会や地域住民に何ができるのかについても明らかにしていきたいと考えています。

 高齢者福祉については、昨年から「介護保険地域包括支援センター」を役場庁舎内に設置いたしました。センターの専門職員が高齢者担当職員と連携することで、これまでに比べて、よりきめ細かな支援体制ができたように思われます。町内の高齢者施設が増加する中、今後この体制を充実強化していかなければならないと考えています。

 健康面では、児童の増加の影響により、各種予防接種委託料や妊婦健診委託料が前年度比10パーセント以上の伸びを示していますが、私の公約でもあります乳幼児医療費の就学前までの無料化にかかる経費について予算措置するとともに、特定健診のスタートによって若年者の検診離れが顕著になっていた反省から、昨年度に引き続き若年者検診の充実を図ったことで、本町では20歳以上の住民健診が特定健診とほぼ同額で受診できるようになります。今後は、住民の皆様の健診データを活用した保健指導の充実に繋げることで、医療費や介護保険負担の削減を目指していきます。

 次に、著しい発展を遂げます国道3号線以西と東部地区の格差の是正は、本町の今後の大きな行政課題であることに変わりありません。財政的な課題があるとはいえ、しっかりとした今後の展望を描いていきたいと考えております。また、このような将来展望については、東部地区のみならず、新年度も継続して行います行政懇談会等において、行政サービスと住民ニーズがかけ離れることのないよう、しっかりと住民意見をお聞きしたいと考えています。

 これまで申し述べました、新年度の施策や事業を実施していくためには相当の財源が必要でございます。本町の人口の推移からしても数年間は教育・子育て支援関連施設や、都市基盤施設の整備に追われる状況が続くものと思われます。行政経費の節減は当然のことながら、何よりも計画的な行政運営が求められており、現在、中長期的な財政見通しを明らかにするため、「財政シミュレーション」を作成しておるところでございます。今会期中に議員の皆様にもご説明させていただきたいと思います。

 最後になりますが、私は常々職員に「役場は一つ、各課、各職員が相互に協力するように。」と申しています。新宮町も同じでございます、議会の皆様、町民の皆様と行政が一体となって、住みやすい、愛着のもてる新宮町を創って参りたいと思いますので、ご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

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