水害時の衛生対策と消毒方法について
公開日:2023年07月13日
台風や集中豪雨などにより、家屋等が浸水した場合、洗浄や消毒が必要になることがあります。浸水した家屋等では、細菌やカビが繁殖しやすくなり、食中毒や感染症にかかる恐れがあります。
感染症予防のためには、清掃と乾燥が最も重要です。
衛生対策
家屋等が浸水した場合、次のとおり洗浄及び衛生対策を行なってください。
1.家の周囲や床下の場合
土砂などを取り除き、水道水で洗い流し、しっかりと乾かすことが重要です。(原則、消毒は不要です。)
(1)汚泥や不要なものなどを片付ける。
(2)庭木や外壁についた泥を、水で十分に洗い流す。
(3)床下換気口のごみを取り除き、床下の風通しを良くする。
(4)床下は汚泥を取り除いた後、雑巾などで水気をなくし、扇風機などにより強制的に換気し、乾燥させる。
2.床上の場合
室内は、食事や睡眠など生活を行なう場所のため、泥や汚れを十分に取り除いた後、消毒を行ないましょう。
(1)水が引いた後、濡れた畳や家の中の不要なものを片付ける。
(2)汚れた家具や床・壁などは、水で洗い流すか、雑巾で水拭きするなどする。
(3)食器類や調理器具などは、水洗いして汚れをきれいに洗い流す。
(4)食器棚や冷蔵庫などは、汚れをきれいに拭き取る。
(5)十分に乾燥させてから、消毒液を浸した布で拭くか、消毒液に直接浸す。
3.食中毒や感染症予防のために
浸水後は、汚水混入や下水逆流などにより、様々なものが汚染されている場合があります。以下の事項に留意し、予防に努めてください。
- 受水槽は、安全と衛生を点検、確認してから使用する。
- 水に浸かった食品や、停電により保存温度が保てなかった要冷蔵・冷凍食品は廃棄する。
- 自家栽培した野菜や果物の生食は避ける。
- 井戸水は、水質検査で安全を確認後、使用する。
- 食事の前や用便、清掃後などは、石鹸と流水でしっかり手を洗う。
- 体に異常を感じたら、早めに医療機関を受診する。
- 破傷風ワクチンの接種歴が10年以内にない場合は、医療機関に相談する。
4.清掃時に注意すること
- 作業時は、安全対策としてゴム手袋や長靴、ゴーグル、マスクなどを着用し、室内を乾燥させるために、窓やドアを開放しましょう。
- 作業終了後は、しっかり手を洗いシャワーを浴びましょう。
- 清掃時に着ていた服は、汚れていない服と区別して洗濯しましょう。また、作業時に汚れた衣類、浸水した衣類や布類は、熱水洗濯あるいは80℃の熱水に10分以上漬けた後洗濯し、乾燥させてください。
消毒方法
消毒液は、過剰に使用すると人の健康や環境へ影響を与えることがあります。使用は必要最小限としましょう。使用の際には、取り扱い説明書に従い、事故が起こらないよう注意してください。
1.家庭で使いやすい消毒液とその使い方
お近くのドラッグストアやホームセンター等で購入できます。
(注意)ペットボトルで希釈液を作る方法を紹介していますが、使用するペットボトルには、目立つように消毒液が入っていることを記載し、誤って口にすることがないように注意してください。また、使用後はすぐに、作成した消毒液を処分してください。
消毒液の種類 | 使用方法 | 対象 |
10%塩化ベンザルコニウム(逆性せっけん) |
使用濃度0.1% 1.ペットボトルキャップ2杯分10ミリリットルを1リットルの水で薄める 2.調整した液を浸した布などでよく拭く |
家具類、床、堅い表面、食器類、流し台、浴槽、次亜塩素酸ナトリウムが使用できないもの |
5-6%次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤) |
使用濃度0.02%もしくは0.1% 1.0.02%ならペットボトルキャップ1杯分5ミリリットルを、0.1%なら4杯分20ミリリットルを、1リットルの水で薄める 2.調整した液を浸した布などでよく拭く |
0.02%:食器類、流し台、浴槽 0.1%:汚染のひどいもの、家具類、床、堅い表面 色あせや腐食のおそれがあるので、木材や金属への使用は注意が必要。 |
エタノール(消毒用アルコール) |
使用濃度70%以上(薄めず原液のまま) 1.原液を含ませた布で拭くか、スプレーなどで吹き付ける |
食器類、流し台、浴槽、家具類、床、堅い表面、手指 |
2.消毒時の注意事項
- 消毒は、必ず泥や汚れを取り除き、乾かした後に行ってください。清掃が不十分だと、効果を発揮できません。
- 消毒薬を取り扱う際にはゴム手袋などを使用するとともに、皮膚や目にかからないように注意してください。また、皮膚についた場合、水と石鹸でよく洗い流し、目に入った場合は、水で15分以上洗い流し、医師の診察を受けてください。
- 消毒薬は、布に含ませるか、あるいは、薬液につける方法で使用します。噴霧は吸い込んでしまう恐れがあるため、避けましょう。
- 消毒薬は、使用する直前に希釈してください。作り置きした消毒薬は効果が十分に発揮できません。
関連情報
浸水した家屋の感染症対策 (PDFファイル: 548.6KB)
この記事に関するお問い合わせ先
福祉センター 健康福祉課(健康づくり担当)へのお問い合わせ
〒811-0119 福岡県糟屋郡新宮町緑ケ浜四丁目3-1
電話番号:092-962-5151
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更新日:2024年02月29日