○新宮町排水設備施工基準

平成28年3月14日

新宮町告示第21号

1 一般的な施工基準

施工は、設計図・仕様書により実施されるものであるがいかに妥当な設計が行われ、また良い材料が使用されても、これに良心的な施工が伴わなくては排水設備工事の完璧を期することはできない。

次に施工上必要な一般的基準を取りまとめる。

① 重量物の通るような場所や、土被りの浅い場所では、排水管の補強防護を考慮すること。

② 増改築工事の場合は、既設排水設備への取付け又は既設排水設備の改造・撤去などが伴うがこれに際しては、補修・閉そくその他の適当な措置を忘れてはならない。

③ 施工に当たり障害物の関係や施主の要求などで重大な設計変更を生じる場合は、その都度本町係員と十分に打ち合わせ、その指示に従って処理すること。その結果排水設備の構造に影響を及ぼすおそれがあるときは、新宮町下水道条例(平成2年新宮町条例第16号)第6条第2項の規定に基づいて再度計画の確認を受けなければならない。

④ 工事完了の跡片付けのうち特に残土処理については、完全に行うこと。

2 排水管の施工基準

排水管の敷設は、適正なこう配、無理のない配管、完全な管接合が生命である。したがって施工者は、設計図と仕様書はもとより現場の状況も十分知っておき、正確にしかも良心的に施工しなければならない。

排水管は、地下に埋設され見えなくなるので、わずかな手抜きもあってはならない。その施工方法は、次の基準による。

① 一般基準

(ア) 排水管の敷設に当たっては、流れの方向に直線となるように掘削し、据付け面を荒らさず管の中心線、こう配等を正確に保ち、管の据付けを行うとともに、管の下端に空げきが生じないよう十分に土砂を充てんし、軟弱地盤には適応した基礎を施すこと。

(イ) 排水管に硬化ビニール管を使用する場合は、管の接合部分の泥土等を除き、接着剤を十分塗布して、水漏れのないよう確実に接合すること。

(ウ) 排水管に鉄筋コンクリート管、陶管等を使用するときは、凹凸のないように敷設し、管の継目は水漏れのないように施工すること。

(エ) 接合用モルタルは、手で握りしめたときようやくその形態を保つ程度の硬練りとし、管の接合部は泥土等の除去清掃し、できる限り密着させ、これに十分モルタルを充てんし、モルタルが管の内面に突き出さないように施工すること。

(オ) 排水管をますに接続させる場合は、排水管がますの内壁に突き出さないように差し入れ、その周囲を水漏れのないようモルタルで埋め、内外面を滑らかに仕上げること。

(カ) 埋戻しは、管が動かないように管の下部両側から空げきのないようしっかり踏み固めながら順次上部へ施工すること。

(キ) 排水管は、いずれの場合においても排水の下流方向の口径は、縮小しないこと。

② 器具類からの排水

(ア) 台所・浴室・洗濯場・その他固形物を排出する排水口には、目幅10ミリメートル以下のストレーナーを取り付けなければならない。

(イ) トラップ付きの小型器具排水管取付けの場合は、二重トラップにならないようにすること。これは排水の疎通を悪くし、下部トラップ取付け箇所からいっ水することがあるためである。

(ウ) 一時に多量の汚水を排出する浴場等では、排水管取付け箇所に近接して小型器具排水管を取り付けると、トラップの封水が吸出され、その効果が皆無となることがあるので注意すること。

(エ) 手洗器や小型洗面器類は、排水量が少ないからといって1本の排水管にまとめて取り付けると、逆流の原因となるので絶対にしてはならない。

(オ) トラップなしの器具排水管を1本の共用トラップにまとめて取り付けることは、いっ水や不衛生の原因になるので避けること。

これら小型器具排水管は、排水量が少ないためにとにかく不用意な施工になりがちなので、排水管の接合や取付け箇所にも最も有効な方法を用いるなどして完全に施工することが肝要である。

③ 雨水の排水

一般家庭では、工事費の削減から雨水の排水を放置されることが多く、そのため降雨ごとに雨水が隣地や道路にあふれだし、他人に迷惑を及ぼすことが少なくない。特に分流式地域においては、雨水排水設備を完備させることが肝要である。

④ ますの設置

(ア) ますの構造については、下水道法施行令(昭和34年政令第147号)第8条第9号及び第10号に抽象的な規定があるのみで具体的な規定はない。したがって本町は付図のような化成品汚水ます、塩ビ製小口径汚水ます及びコンクリート製標準雨水ますの使用を指定しており、それぞれの特徴を良くわきまえ設置場所の状態に適応するとともに、汚水ますには雨水その他のます外部からの浸水を完全に防止し、外圧等に対し堅ろうな構造のものを選択することが必要である。

(イ) 施工上の注意

ますの施工に注意すべき事項は、本町排水設備技術基準に規定されているが、化成品汚水ます又は塩ビ製小口径汚水ますを設置するときは、ますの基礎部に砂、クラッシャーラン等を施した後、十分突き固め、また外周部は良質の土砂で良く突き固めながら埋戻し、後日、ますが沈下・傾斜しないように施工しなければならない。

化成品汚水ます

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断面図

塩ビ製小口径汚水ます

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コンクリート製標準雨水ます

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補助枠

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本体平面図

ふた側面図

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本体側面図

ふた平面図

3 水洗便所

① 水洗便所施工の要点

(ア) くみ取便所を改造する際は、便槽を処理してから便所内壁下の適当な位置に便器の中心線を印しトラップ、排水管の位置、方向を決める。

(イ) 便器を取り付ける際は、器内に少し水を入れて後部底面の水がなくならないように注意する。

(ウ) タイル床の場合、便器外側のコンクリート床面に接する部分は、アスファルトなどの伸縮性のもので塗装した方がよい。

(エ) トラップは、縁下の地固めをしてかられんがを所定の高さに積み重ね、その上に据付けるが垂直にしかも封水保護上絶対水平に据付けなければならない。

(オ) トラップと排水管の接続の際パテ詰めは漏水のないよう入念に取り付ける。パテはうまく施工しないと漏水の原因となるから十分注意する。

(カ) 排水管の基礎は、沈下のないよう乾いた土砂、石くずなどを入れて突き固める。

(キ) 器具類は、金具により取り付けるが金具は、陶器に直接当てずパッキンを用い適宜な強さで締め付ける。強く締めすぎると陶器を破損することがある。

(ク) 便器、洗浄装置が終われば最後に通水、通煙試験をし、漏水漏気の有無を調べる。

(ケ) 陶器類のため施工中破損されないよう注意すること。

② 洗浄方式

大便器の洗浄方式には、フラッシュバルブ式、ロータンク式、ハイタンク式の3種類がある。

(ア) フラッシュバルブ式(洗浄弁方式)

この洗浄方式は、給水管の水を直接便器に給水する方式であるため、連続使用が可能であり、学校、工場、劇場など頻繁に使用される場所に最適である。また、場所を取らないため、便所内を広く使用できる利点がある。反面、給水管径、給水圧力が便器洗浄の効果に直接関係すること、及び流速が大きくなると水撃作用(ウォータハンマー)が生ずることを考慮して給水配管の設計に当たっては、十分注意しなければならない。

(イ) ロータンク式

ロータンク式は、タンク内に一定量貯留した水を便器へ給水する方式であるから、給水配管は管径13ミリメートルでよく、給水圧力にも特に制限はない。ただし、給水圧力が低い場合は、タンクの満水時間が長く、使用頻度の高いところでは支障を来すことがあるから、管径、同時使用率など、考慮が必要である。

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(ウ) ハイタンク式

ロータンクと同様給水管径は、13ミリメートル、給水圧力も特に制限はないが、給水圧力が低いところでは満水時間が長くなることは、ロータンク式と同様である。この方式は、ロータンク式と比較してタンクが高い位置に取り付けられるので、便所の面積を広く使用できる利点があるが、落差が大きいためロータンクに比べ洗浄時の音が大きく、また、取付け、補修などの作業が不便であるため使用しない。

各洗浄方式の特徴

検討項目

フラッシュバルブ式

ロータンク式

ハイタンク式

水圧の制限

あり(0.7Kg/cm2以上)

なし

なし

給水管径の制限

あり(径25mm以上)

13mmでよい

13mmでよい

場所

あまり取らない

取る

取らない

構造

複雑

簡単

簡単

修理

困難

容易

困難(高い)

工事

取付け容易

容易

困難(高い)

騒音

やや大きい

小さい

かなり大きい

連続使用

できる

できない

できない

更に、機能方式により洗出し式、洗落し式、サイホン式、サイホンゼット式などがある。

③ 洗便所標準型

本町では処理区域の拡張に伴い町民に対し水洗便所の改造を促進するに当たり安価、実用、効率的で、かつ、万一の故障の際、修理が簡単にできるような型が望ましいので三つの標準型を定めた。

(ア) A型水洗便所(和風両用便器)

この型は、一つの便器で、大小便を兼用できる和風型の便器が使用されている。

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(イ) B型水洗便所(大小便器手洗付)

この型は、大便用、小便用として別々に便器が設置された和風型の便所であり、ロータンクには手洗いがないため、手洗器の設置を必要とする。

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(ウ) C型水洗便所(腰掛便器)

この型は、一般的に最も多く利用されている便所であり、A型同様大・小便兼用であるが、洋風型(腰掛式)の便器が使用されているため、健康上非常によい。

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4 附帯設備

下水管きょの保護・下水の流通及び衛生の面で起こり得る種々の障害に対して、沈砂・ごみよけ・油脂遮断・防臭等の目的から排水設備に附属して設置すべきものである。

① オイルトラップ

ガソリン等の可燃性液体の下水道への流入は、下水道管きょ内における引火爆発等の思わぬ事故の原因となり、管きょ内における維持管理作業に重大な危険を与えるものである。

次の場所にはオイルトラップを設けなければならない。

(ア) ガソリン給油所

(イ) ガソリンを貯蔵するガレージ

(ウ) 可燃性溶剤を使用するドライクリーニング作業所・化学工場・ペイント及びワニス製造所

(エ) 印刷インク工場

(オ) その他揮発性可燃液体を取り扱う試験所・製造所

構造としては、排水を一旦沈殿槽に導入し、油と水の比重差を利用して分離させ、水面に浮上した油類は汲み上げるか、又は上部の排油管で排出し、排水は別口より排水管に流出するように工夫されたものがよい。

下図の方法が一番多い。容量は、一般に平均1時間の流入汚水の2倍以上で滞留水量をもつようにといわれている。

オイルトラップ

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(注) 密閉ふたの場合は、蒸発管を取り付けること。

② グリーストラップ

グリーストラップは、脂肪阻集器・脂肪弁・遮脂槽とも呼ばれ、脂肪類をトラップ内に抑留凝固させて、これを除去する装置である。主として料理店・ホテル・旅館などの調理場等に設けられる。

脂肪は、液体の動物性脂肪でこれがそのまま排水管に排出されると、温度の下降に従って他の汚物と一緒に排水管の内面に固着する。長期間にわたってこれが重なるとついには排水管の断面を縮小させてしまうことになる。また、これは終末処理場においても極めて処理しにくい物質であるから、必ずグリーストラップを設けなければならない。

グリーストラップ

(イ)

(ロ)

(ハ)

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構造は、前項オイルトラップと同様と考えてよく、その容量もオイルトラップと大体同じである。

オイル及びグリーストラップは、器内で無害化処理し得るものではなく、あくまでも阻集した物質は一定期間ごとに取り出し、処理する必要がある。そのためには、器は容易に内部の点検・掃除・処理ができる構造でなければならないとともに、常に善良な管理が行われ、仮初にも阻集した油類を再び排水設備に投棄処分することのないようにしなければならない。

③ その他の阻集器

土砂・ガラスくず・金剛砂などを排出する工場などではサンドトラップを設けなければならない。

これは前項のオイル及びグリーストラップにおける浮上による阻集とは逆で、底部に沈積させて阻集するものである。

構造は、オイル・グリーストラップと大体同様であり、容量については一定期間に沈積物を処理するとして、それに適応する大きさになり、砂たまりの深さを決めればよい。雨水ますは、一種のサンドトラップであり、工事現場の排水用ますも同様である。歯科医・実験所・理髪店等で用いる阻集器は、器具の下部床面に小形胴トラップを設け、水密ふたをしたものが多い。

④ 中和槽

化学工場などで排出する酸性及びアルカリ性の強い廃液は、下水管きょ・ポンプ設備等を浸食・破壊し、終末処理に重大な影響を与えるので、これを防止するためには、沈殿・希釈・中和等の予備処理を必要に応じて行い、その後に排水管に流さなければならない。この設備を中和槽という。

(中和槽)

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設置の必要な工場等は、次のとおりである。

(ア) 酸性の強い廃液を取扱うもの(蓄電池業・メッキ業)

(イ) アルカリ性の強い廃液を取扱うもの(亜鉛メッキ業)

構造は、コンクリート・れんが等で作り、その内面をアスファルト類で耐酸仕上げとするのが一般的である。小工場では、厚焼陶管で造った簡単なものもある。

酸性の強い廃物は、石灰又はかせいソーダ壊のろ過層を通して中和する。この方が簡単で検査監督も容易である。

構造・容量については、一概にいえないが有害物質の種類・量・その他により、必要な実験を行い決定する。

槽に接続する器具・廃水管等は、すべて耐酸性材料を選ばなければならない。一般には陶管・鉛管等が、最近ではプラスチック製品も使用されている。

⑤ その他の施設

皮革・薬・石けんの製造業、化学機械・食品加工の工業、繊維・油脂・と殺の工場等の廃水に対しては希釈・沈殿・分離・中和その他による方法で予備処理を行ってから排水管に流入させる必要がある。これらの処理について下記の方法がある。

水質の項目

処理方法

温度

空冷法、水冷法

水素イオン濃度

中和法

生物化学的酸素要求量

普通沈殿法、薬品沈殿法、生物化学的処理法

化学的酸素要求量

普通沈殿法、薬品沈殿法、生物化学的処理法

浮遊物質量

普通沈殿法、薬品沈殿法、ろ過法

ノルマルヘキサン抽出物質(油脂類)含有量

薬品沈殿法、浮上分離法

よう素消費量

薬品沈殿法、ばっ気法、生物化学的処理法

フェノール類含有量

酸化分解法、吸収法、生物化学的処理法

シアン含有量

酸化分解法、電気分解法、イオン交換法

アルキル水銀含有量

薬品沈殿法、吸着法、電気分解法、イオン交換法

有機りん含有量

薬品沈殿法、吸着法、生物化学的処理法

カドミウム含有量

薬品沈殿法、吸着法、電気分解法、イオン交換法

鉛含有量

薬品沈殿法、吸着法、電気分解法、イオン交換法

クロム(6価)含有量

還元法、薬品沈殿法、吸着法、電気分解法、イオン交換法

ひ素含有量

薬品沈殿法、吸着法

総水銀含有量

薬品沈殿法、吸着法、電気分解法、イオン交換法

クロム含有量

薬品沈殿法、吸着法、電気分解法、イオン交換法

銅含有量

薬品沈殿法、吸着法、電気分解法、イオン交換法

亜鉛含有量

薬品沈殿法、吸着法、電気分解法、イオン交換法

(溶解性)含有量

薬品沈殿法

マンガン(溶解性)含有量

薬品沈殿法、吸着法、電気分解法、イオン交換法

ふっ素含有量

薬品沈殿法、吸着法

⑥ トラップと封水について

(ア) トラップの形状

トラップは、使用目的と使用場所によって異なるが、大略、次のような形状に分けることができる。

Sトラップ、1/2Sトラップ(Pトラップともいう。)、3/4Sトラップ、ドラムトラップ(Dトラップ又は胴トラップともいう。)、ランニングトラップ(Uトラップともいう。)、床洗トラップ(ベル又はわんトラップともいう。)などがある。

トラップの種類

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S

3/4S

1/2S(P)

ランニング(U)

ドラム(D)

わん(ベル)

これらのトラップのうちSとPは、手洗・便器・浴槽などに、ドラムは、阻油脂用としてホテル・レストランの調理場等に、ランニングは、他のトラップの取付けが困難な場所に、ベルは床の排水用にそれぞれ利用される。

(イ) 封水(シール)

トラップの封水

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トラップは、封水によって悪臭

・有毒ガス等の浸入を遮断するものであり、これを適当に保つことは、トラップにとって重要なことである。トラップは、非吸水性材料でつくられ、漏水することなく、また容易に破損しないことがその第1条件である。しかし、封水は、吸出し作用・自己サイホン作用・飛出し作用で破られることがあるので、この現象を防止するために、通気管を設けなければならない。また、あまり使用しないトラップは、水の蒸発・毛細管現象によって破られることもある。また、冬期において封水が凍結することがあるので、保護しておかなければならない。

トラップの封水が破られる原因として次のような作用等がある。

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イは、飛出し作用を示したもので、立管内を落下した排水は、横管に移る部分で流速が鈍り、この部分に排水が充満する。次に、短時間後に一団の排水がこの部分に落下した場合、中間の空間を圧迫して、連結しているトラップの封水を押し出してしまう。

ロは、サイホン作用を示したもので、自己サイホン作用で封水が排水管へ引き入れられる。

ハは、吸出し作用を示したもので、立管を満流して排水が落下する場合、トラップとの連結部分の空気を吸い出していくことになり、このためトラップの封水は吸出されてしまう。

ニは、毛細管現象を示したもので、アフレ部に糸や毛髪類がまたがってつかえ垂下した場合、毛細管現象により封水が誘い出されて徐々に流れてしまう。

(ウ) 蒸発

使用回数の少ない、又は長期使用しない器具類の場合、封水は蒸発によって自然減少し、ついには封水が破れてしまう。床を洗うことのまれな床トラップでは、この危険が多く、こと暖房設備のある場合は、いっそう簡単に封水が破れやすい。

(エ) 運動による慣性

急激に器具の排水を流した場合、あるいは強風その他の原因で排水管内に気圧の急変が生じた場合、封水面は、上下交互の運動を起こして封水が失われることがある。

封水は、封水深の長いものほど防臭の面からは安全であるが、その反面、故障が多いことは覚悟しなければならない。一般にシールの深さは5~10センチメートルが適当といわれるが、設計施工に当たっては、使用回数・管径・使用場所・目的等を十分理解し、それらに適応したトラップを使用しなければならない。また、トラップは、二重に取付けてはならない。

(オ) 通気管

通気管は、前項で述べたようにトラップの封水を飛出し・サイホン・吸出し等の作用から守るために設けるものである。また、通気管なしの配管では、排水時に騒音を出したり、管内の気圧変化によりサイホン作用が起こり汚水が逆流することがあるから、正確に取り付けることが肝要である。

通気管の取付けには次の二つがある。

(1) 1管式配管法

(2) 2管式配管法

1管式配管法は、1本の排水管の上部を通気管にしたもので、排水管を兼用し汚水を満水時に流さず、空気が常に管内にあるようにする方法で、設備費は少なくて済み経済的方法ではあるが、トラップの封水が破れる危険が多く衛生上にもよくない工法である。

2管式配管法は、排水管と通気管の2本建の配管法で封水が破れる心配はほとんどないので一般に広く用いられている。

通気管を設ける場合は、トラップの頂部がトラップに近い部分の上部から取り出し、通気立管に連結すること。

通気管の1例

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(1) 1管式配管法

(2) 2管式配管法

5 例外的取扱いについて

① 給油所及び洗車場の排水設備について

消防法(昭和23年法律第186号)その他の定めによるほか次のとおり施工するものとする(次図参照)

(ア) 給油施設及び業務用露天洗車場内に降った雨水は、場内洗浄水とともに、汚水系統の排水設備に接続する(土砂分離槽も備えること。)

(イ) 前項の場所以外の雨水は、場内に流入することのないような構造とし、雨水ます又は道路側溝に接続する。

② 雨水排水設備を道路側溝に接続する場合について

(ア) 泥ためを有する雨水ますを設けて道路側溝に接続する。

(イ) 排水設備を開きょで設ける場合は、最下流雨水ますに有効な目幅をもつスクリーンを設ける。

(ウ) 側溝内に管が突出しないよう接続すること。

※例 平面図

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(施行期日)

1 この告示は、公布の日から施行する。

(新宮町下水道排水設備施工基準の廃止)

2 新宮町下水道排水設備施工基準(平成2年10月新宮町訓令)は廃止する。

新宮町排水設備施工基準

平成28年3月14日 告示第21号

(平成28年3月14日施行)

体系情報
要綱類集/第8編 公営企業/第3章 下水道
沿革情報
平成28年3月14日 告示第21号