○新宮町議会基本条例
平成26年12月18日
新宮町条例第24号
目次
前文
第1章 総則(第1条―第3条)
第2章 町民と議会の関係(第4条・第5条)
第3章 町長等執行機関と議会及び議員の関係(第6条―第9条)
第4章 議会の運営(第10条―第16条)
第5章 議員の活動(第17条―第21条)
第6章 最高規範性と見直し手続(第22条―第24条)
附則
新宮町議会(以下「議会」という。)は、新宮町民(以下「町民」という。)から選挙で選ばれた議会議員(以下「議員」という。)により構成され、同じく町民から選挙で選ばれた新宮町長(以下「町長」という。)とともに、新宮町の代表機関を構成する。
二元代表制における議会の役割は、新宮町の最高意思決定機関として、町長その他の執行機関と緊張関係を保ち、事務の執行の監視を行うとともに積極的な政策立案や提言を行うことで、町民福祉の向上と新宮町の発展に寄与することにある。
地方分権時代を迎え、議会は、これまでも様々な改革に取り組んできた。多様な民意を的確に町政に反映させるためには、より一層議論を深めながら論点を明確にした透明性の高い議会運営が求められている。
また、今後さらに自治体の自己決定と責任の範囲が拡大していくなかで、日本国憲法に定める地方自治の本旨に基づき、公正性と透明性の確保、積極的な情報の公開と情報発信方法の構築、町長その他執行機関との緊張感の保持、議員の自己研鑽と資質の向上、議員間の自由討議の推進、継続的な議会改革の取組み、議会活動を支える体制等の充実・強化を図ることによって、町民に開かれた存在感のある心豊かな議会を築かなければならない。
町民憲章に基づき、新しい街並み、緑豊かな立花山、白砂青松の新宮海岸、歴史ある相島など、街と自然が調和し、人が輝き快適に暮らせる元気な新宮町を実現するため、議会における最高規範として、ここに新宮町議会基本条例を制定する。
第1章 総則
(目的)
第1条 この条例は、議会及び議員活動の活性化と充実・強化に関する基本的事項を定めることにより、議員の自己研鑚と資質の向上を図り、町民への情報公開を推進し、町民の負託に応え、もって安全・安心で豊かなまちづくりの実現と公正で民主的な町政の発展に寄与することを目的とする。
(議会の活動原則)
第2条 議会は、町民を代表して町の運営の基本的な方針を決定する議決機関であることを常に自覚し、公正性、公平性、透明性及び信頼性を高める一方で、町長、副町長及び教育長(以下「町長等」という。)の町政運営状況を監視するものとする。
2 議会は、町民の多様な意見を把握し町政に反映させるために、町民参加の機会拡充を図り、政策提言及び政策立案に努めるものとする。
3 議会は、町民に開かれた議会を目指して情報公開に取り組み、町民に対して議会の議決及び運営について、その経緯、理由等の説明責任を果たすものとする。
4 議会は、町民に分かりやすい議会運営を心がけ、議会運営に関する条例等を継続的に見直し、不断の改革に努めるものとする。
(議員の活動原則)
第3条 議員は、議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを十分認識し、議員相互の自由な討議を尊重するものとする。
2 議員は、町政全般についての課題、町民の意見、要望等を的確に把握するとともに、自己の能力を高めるために不断の研鑽に努め、町民の代表としてふさわしい活動をするものとする。
3 議員は、議会の構成員として、町民全体の福祉向上のため活動するものとする。
第2章 町民と議会の関係
(町民参加及び町民との連携)
第4条 議会は、本会議のほか、常任委員会及び特別委員会(以下「委員会」という。)を原則として公開するとともに、町民に対して議会の活動情報を公表して共有を推進し説明責任を果たすものとする。
2 議会は、参考人制度、公聴会制度等を活用して、学識経験者等の意見を議会の審議に反映させるよう努めるものとする。
3 議会は、請願書、陳情書又はこれに類するもの(要望書、嘆願書、要請書等)は、政策提言と位置付け、審議においては提案者の説明や意見を聴く機会を設けることができるものとする。
(議会報告会)
第5条 議会は、議案等の審議の経過及び結果の報告と町民との意見交換の場として議会報告会を開催するよう努めるものとする。
2 議会報告会に関する事項は、別に定める。
第3章 町長等執行機関と議会及び議員の関係
(緊張感の保持)
第6条 議会審議において、議員と町長等及び職員は、互いに緊張感を持って臨まなければならない。
2 議会の会議における議員と町長等及び職員の質疑応答は、広く町政上の論点及び争点を明確にするため、一問一答の方式で行う。
3 本会議及び委員会において、町長等は、議員の質問、政策等の提言に対して、議長又は委員長の許可を得て反問することができる。
(町長による政策等の形成過程の説明)
第7条 議会は、町長が提案する計画、政策、施策、事業等(以下「政策等」という。)について、次に掲げる事項の説明を求めるものとする。
(1) 政策等を必要とする背景
(2) 提案に至るまでの経緯
(3) 他の自治体の類似する政策等との比較検討
(4) 町民参加の実施の有無及びその内容
(5) 新宮町総合計画との整合性
(6) 財源措置
(7) 将来にわたる効果及び費用
2 議会は、前項の政策等の提案を審議するにあたっては、立案及び執行における論点及び争点を明らかにし、執行後における政策評価に資する審議に努めるものとする。
(予算及び決算における政策説明資料の作成)
第8条 議会は、町長が予算案及び決算を議会に提出し、議会の審査に付すにあたっては、前条の規定に準じて、町長に対し施策別又は事業別の分かりやすい政策説明資料の作成に努めるよう求めるものとする。
(地方自治法第96条第2項の議決事件)
第9条 新宮町総合計画基本構想の策定及び変更は、地方自治法(昭和22年法律第67号)第96条第2項の規定に基づく議会の議決事件とする。
第4章 議会の運営
(自由討議の推進)
第10条 議会は、議員による討論の場であることを十分に認識し、議員相互間の自由な討議の推進に努めるものとする。
2 議会は、議員及び委員会の提出議案、町長提出議案並びに町民提案に関して審議し結論を出す場合は、必要に応じて議員相互間における十分な討論、議論を尽くし、合意形成に努めなければならない。この場合において、議長又は委員長は、町長及び執行部の退席を求めることができる。
3 議会は、前項の経過及び結果について、速やかに公表し、町民への説明責任を十分に果さなければならない。
4 議員は、議員相互間の自由討議を推進するため、政策、条例、意見等の議案の提出を積極的に行うよう努めるものとする。
(常任委員会等の設置)
第11条 議会に常任委員会及び議会運営委員会を置く。
2 前項に定める委員会のほか、議会は、必要に応じて特別委員会を設置することができる。
3 常任委員会、議会運営委員会及び特別委員会の運営については、次条に定めるもののほか、別に条例で定める。
(委員会の適切な運営)
第12条 委員会の運営にあたっては、町政の諸課題を適正に判断し、委員会の専門性と特性を生かした適切な運営を行い、積極的な政策立案及び政策提言に努めるものとする。
2 委員会の運営にあたっては、参考人制度及び公聴会制度を十分に活用するものとする。
3 委員会では、情報を積極的に公開するなど、町民にわかりやすい審議に努めなければならない。
4 委員会は、所管の関係団体等と積極的な意見交換に努めなければならない。
(議会改革推進会議)
第13条 議会は、議会改革に継続的に取り組むため、議員で構成する議会改革推進会議を設置する。
2 議会改革推進会議は、議員全員をもってこれを構成する。
3 議会は、必要と認めるときは議会改革推進会議に学識経験を有するものを加えることができる。
4 議会改革推進会議に関して必要な事項は、別に定めるものとする。
(議員研修の充実強化)
第14条 議会は、議員の政策提言及び政策立案等の能力向上を図るため、議員研修の充実強化に努めるものとする。
2 議会は、研修の充実強化にあたり、広く各分野の専門家、町民等との研修会を開催するものとする。
3 議会は、議員の資質向上のため、図書の充実を図るものとする。
(議会事務局の体制整備)
第15条 議会は、議会及び議員の監視機能・調査機能の強化並びに政策提案・立法機能を充実させるため、議会事務局の体制強化を推進する。
(議会広報の充実)
第16条 議会は、ホームページやインターネット配信など多様な広報手段を活用することにより、多くの町民が議会と町政への関心を高めるための議会広報活動に努めるものとする。
2 議会は、議会の活動、議案等の審議の経過及び結果、一般質問の内容等の情報を、議会が発行する「しんぐう町議会だより」で提供する。
第5章 議員の活動
(議員の政治倫理)
第17条 議員は、町民全体の代表者として、その政治倫理を自覚するとともに、政治倫理基準を遵守しなければならない。
2 議員の政治倫理に関する事項は、別に条例で定める。
(町税の滞納がないことの証明書の提出)
第18条 議員は、毎年4月に町税の滞納がないことの証明書(完納証明書)を議長に提出しなければならない。
2 完納証明書の提出に関する事項は、別に条例で定める。
(議員定数)
第19条 議会は、議員定数の改正にあたっては、行財政改革の視点だけでなく、町政の現状と課題、将来の予測と展望を十分に考慮するとともに、町民等の意見を聴取するため、参考人制度、公聴会制度等を十分に活用するものとする。
2 議員定数は、別に条例で定める。
(議員報酬)
第20条 議会は、議員提案に係る議員報酬の改定にあたっては、社会情勢、本町の財政状況、類似する他町の議員報酬を勘案するとともに、町民等の意見を聴取するため、参考人制度、公聴会制度等を十分に活用するものとする。
2 議員報酬に関する事項は、別に条例で定める。
(政務活動費)
第21条 議員は、政務活動費を有効に活用し、積極的に町政に関する調査研究を行わなければならない。
2 政務活動費の交付に関する事項は、別に条例で定める。
第6章 最高規範性と見直し手続
(議会及び議員の責務)
第23条 議会及び議員は、この条例の理念及び原則に基づいて制定される議会関係条例等を遵守して議会を運営し、町民を代表する合議制の機関として、町民に対する責任を果たさなければならない。
(検証及び見直し手続)
第24条 議会は、必要に応じて、この条例の目的が達成されているかどうかを議会改革推進会議で検証するものとする。
2 議会は、条例の改正が必要であると認められるときは、適切な措置を講ずるものとする。
附則
この条例は、平成27年1月1日から施行する。