○新宮町渡船安全管理規程

平成18年12月28日

新宮町告示第92号

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 経営トップの責務(第4条―第7条)

第3章 安全管理の組織(第8条)

第4章 安全統括管理者及び運航管理者等の選解任並びに代行の指名(第9条―第13条)

第5章 安全統括管理者及び運航管理者等の勤務体制(第14条―第16条)

第6章 安全統括管理者及び運航管理者等の職務及び権限(第17条―第19条)

第7章 安全管理規程の変更(第20条)

第8章 運航計画、配船計画及び配乗計画(第21条―第23条)

第9章 運航の可否判断(第24条―第27条)

第10章 運航に必要な情報の収集及び伝達(第28条―第30条)

第11章 輸送に伴う作業の安全の確保(第31条―第37条)

第12章 輸送施設の点検整備(第38条―第40条)

第13章 海難その他の事故の処理(第41条―第48条)

第14章 安全に関する教育、訓練及び内部監査等(第49条―第53条)

第15章 雑則(第54条・第55条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この告示は、町長が定める明確な安全方針に基づき、町庁舎内に安全最優先意識の徹底を図り、全従事職員がこれを徹底して実行すべく、当町の使用する旅客船(以下「船舶」という。)の業務(付随する業務を含む。以下同じ。)を安全、適正かつ円滑に処理するための責任体制及び業務実施の基準を明確にし、もって本町一丸となって輸送の安全を確保することを目的とする。

(用語の意義)

第2条 この告示における用語の意義は、次表に定めるところによる。

番号

用語

意義

(1)

安全マネジメント態勢

町長により、本町で行われる安全管理が、あるべき手順及び方法に沿って確立され、実施され、維持される状態

(2)

経営トップ

本町において最高位で指揮し、管理する個人

(3)

安全方針

町長がリーダーシップを発揮して主体的に関与し設定された輸送の安全を確保するための本町全体の意図及び方向性

(4)

安全重点施策

安全方針に沿って追求し、達成を目指すための具体的施策

(5)

安全統括管理者

本町職員から選出した、輸送の安全を確保するための管理業務を統括管理する者

(6)

運航管理者

船長の職務権限に属する事項以外の船舶の運航の管理に関する統轄責任者

(7)

運航管理補助者

運航管理者の職務を補佐する者

(8)

運航管理者代行

運航管理者が職務を執行できないとき、その職務を代行する者

(9)

陸上作業員

陸上において、旅客の整理、誘導等の作業に従事する者

(10)

船内作業員

船舶上において、旅客の整理、誘導等の作業に従事する者

(11)

運航計画

起終点、航行経路、航海速力、運航回数、発着時刻等に関する計画

(12)

配船計画

運航計画を実施するための船舶の特定、当該船舶の回航及び入渠、予備船の投入等に関する計画

(13)

配乗計画

乗組員の編成及びその勤務割りに関する計画

(14)

発航

現在の停泊場所を解らんして次の目的港への航海を開始すること。

(15)

基準航行

基準経路を基準速力により航行すること。

(16)

港内

新宮港第1種・相島港第2種漁港として認められた区域

(17)

入港

港の区域内の防波堤等の内部へ進航すること。

(18)

運航

「発航」、「基準経路及び基準速力による航行の継続」又は「入港(着岸)」を行うこと。

(19)

反転

目的港への航行の継続を中止し、発航港へ引き返すこと。

(20)

気象・海象

風速(10分間の平均風速)、視程(目標を認めることができる最大距離。ただし、視程が方向によって異なるときは、その中の最小値をとる。)及び波高(隣り合った波の峰と谷との鉛直距離)

(21)

運航基準図

航行経路(起終点、針路、変針点等)、標準運航時刻、航海速力、船長が甲板上の指揮をとるべき区間、その他航行の安全を確保するために必要な事項を記載した図面

(22)

船舶上

船舶の舷側より内側。ただし、舷てい、歩み板等船舶側から架設されたものがある場合はその先端までを含む。

(23)

陸上

船舶上以外の場所。ただし、陸上施設の区域内に限る。

(24)

危険物

危険物船舶運送及び貯蔵規則第2条に定める危険物

(25)

陸上施設

岸壁(防舷設備を含む。)、旅客待合室等船舶の係留、旅客及び車両の乗降等の用に供する施設

(運航基準、作業基準及び事故処理基準)

第3条 この告示の実施を図るため、運航基準、作業基準及び事故処理基準を定める。

2 船舶の運航については、この告示及び運航基準に定めるところによる。

3 旅客の乗下船、車両の積込み、積付け及び陸揚げ、船舶の離着岸等に係る作業方法、危険物の取扱い、旅客への遵守事項の周知等については、この告示及び作業基準に定めるところによる。

4 事故発生時の非常連絡の方法、事故処理組織その他事故の処理に必要な事項については、この告示及び事故処理基準に定めるところによる。

第2章 経営トップの責務

(町長の主体的関与)

第4条 船舶による輸送の安全確保のため、町長は次に掲げる事項について主体的に関与し、本町全体の安全マネジメント態勢を適切に運営する。

(1) 関係法令及びその他条例等の遵守と安全最優先の原則の徹底

(2) 安全方針の設定

(3) 安全重点施策の策定及び確実な実行

(4) 重大な事故等に対する確実な対応

(5) 安全マネジメント態勢を確立し、実施し、維持するため、かつ、輸送の安全を確保するために必要な要員、情報、輸送施設等を確実に使用できるようにすること。

(6) 安全マネジメント態勢の見直し

(町長の責務)

第5条 町長は、確固たる安全マネジメント態勢の実現を図るため、その責務を的確に果たすべく、次条以下に掲げる内容について、確実に実施する。

2 町長は、事業の輸送の安全を確保するための管理業務の実施範囲を明らかにする。

(安全方針)

第6条 町長は、安全管理にかかわる全体的な意図及び方向性を明確に示した安全方針を設定し、本町内部へ周知する。

2 安全方針には輸送の安全確保を的確に図るために、次の事項を明記する。

(1) 関係法令及びその他条例の遵守と安全最優先の原則

(2) 安全マネジメント態勢の継続的改善

3 安全方針は、その内容について効果的・具体的な実現を図るため、町長の率先垂範により、周知を容易かつ効果的に行う。

4 安全方針は、必要に応じて見直しを行う。

(安全重点施策)

第7条 安全方針に沿って、具体的な施策を実現するため、安全重点施策を策定し実施する。

2 安全重点施策は、それを必要とする部門や組織の階層グループがそれぞれ策定し、その達成度が把握できるような実践的かつ具体的なものとする。

3 安全重点施策は、これを実施するための責任者、手段、日程等を含むものとする。

4 安全重点施策を毎年、進捗状況を把握するなどして見直しを行う。

第3章 安全管理の組織

(安全管理の組織)

第8条 この告示の目的を達成するため、次のとおり安全統括管理者、運航管理者及び運航管理補助者を置く。

(1) 町庁舎

安全統括管理者 1人

運航管理者 1人

運航管理補助者 若干人

(2) 船舶上 運航管理補助者 若干人

2 町庁舎の担当する区域は、次のとおりとする。

相島~新宮航路全域

第4章 安全統括管理者及び運航管理者等の選解任並びに代行の指名

(安全統括管理者の選任)

第9条 町長は、経営トップに位置付けられ、海上運送法施行規則第7条の2の2に規定された要件に該当する者の中から安全統括管理者を選任する。

(運航管理者の選任)

第10条 町長は、安全統括管理者の意見を聴いて海上運送法施行規則第7条の2の3に規定された要件に該当する者の中から運航管理者を選任する。

(安全統括管理者及び運航管理者の解任)

第11条 町長は、安全統括管理者又は運航管理者が次の各号のいずれかに該当することとなったときは、当該安全統括管理者又は運航管理者を解任するものとする。

(1) 国土交通大臣の解任命令が出されたとき。

(2) 身体の故障その他やむを得ない事由により職務を引き続き行うことが困難になったとき。

(3) 安全管理規程に違反することにより、運航管理者がその職務を引き続き行うことが輸送の安全の確保に支障を及ぼすおそれがあると認められるとき。

(運航管理補助者の選任及び解任)

第12条 町長は、安全統括管理者及び運航管理者の推薦により運航管理補助者を選任する。

2 町長は、安全統括管理者及び運航管理者の意見を聴いて運航管理補助者を解任する。

(運航管理者代行の指名)

第13条 運航管理者は、運航管理補助者の中から運航管理者代行を指名しておくものとする。

2 前項の場合において、運航管理者は2人以上の者を順位を付して指名することができる。

第5章 安全統括管理者及び運航管理者等の勤務体制

(安全統括管理者の勤務体制)

第14条 安全統括管理者は、常時連絡できる体制になければならない。

2 安全統括管理者がその職務を執ることができないときは、町長が職務を執るものとする。

(運航管理者の勤務体制)

第15条 運航管理者は、船舶が就航している間は、原則として町庁舎に勤務するものとし、船舶の就航中に職場を離れるときは、町庁舎の運航管理補助者と常時連絡できる体制になければならない。

2 運航管理者は、前項の連絡の不能その他の理由により、その職務を執ることができないと認めるときは、あらかじめ運航管理者代行にその職務を引き継いでおくものとする。ただし、引継ぎ前に運航管理者と運航管理補助者の連絡が不能となったときは、連絡が取れるまでの間運航管理者代行が自動的に運航管理者の職務を執るものとする。

(運航管理補助者の勤務体制)

第16条 運航管理補助者は、本町の使用船舶が就航している間は、原則として船舶及び町庁舎に勤務するものとする。勤務中、やむを得ず職場を離れる等その職務を執ることができないと認めるときは、あらかじめその旨を運航管理者に連絡しなければならない。

第6章 安全統括管理者及び運航管理者等の職務及び権限

(安全統括管理者の職務及び権限)

第17条 安全統括管理者の職務及び権限は、次のとおりとする。

(1) 安全マネジメント態勢に必要な手順及び方法を確立し、実施し、維持すること。

(2) 安全マネジメント態勢の課題又は問題点を把握するために、安全重点施策の進捗状況、情報伝達及びコミュニケーションの確保、事故等に関する報告、是正措置及び予防措置の実施状況等、安全マネジメント態勢の実施状況及び改善の必要性の有無を経営トップへ報告し、記録すること。

(3) 関係法令の遵守と安全最優先の原則を町庁舎内へ徹底するとともに、安全管理規程の遵守を確実にすること。

(運航管理者の職務及び権限)

第18条 運航管理者の職務及び権限は、次のとおりとする。

(1) この告示の次章以下に定める職務を行うほか、船長の職務権限に属する事項を除き、船舶の運航の管理及び輸送の安全に関する業務全般を統轄し、安全管理規程の遵守を確実にしてその実施を図ること。

(2) 船舶の運航に関し、船長と協力して輸送の安全を図ること。

(3) 運航管理補助者及び陸上作業員を指揮監督すること。

2 運航管理者の職務及び権限は、法令に定める船長の職務及び権限を侵し、又はその責任を軽減するものではない。

(運航管理補助者の職務)

第19条 町庁舎に勤務する運航管理補助者は、運航管理者を補佐するほか、運航管理者がその職務を執行できないときは、第13条第2項の順位に従い、その職務を代行するものとする。

2 船舶上に勤務する運航管理補助者は、船舶の運航の管理に関して、運航管理者を補佐するとともに運航管理者の指揮を受けて次の事項を実施するものとする。

(1) 陸上における危険物その他旅客の安全を害するおそれのある物品の取扱いに関する作業の実施

(2) 陸上における旅客の乗下船、車両の積込み及び陸揚げ並びに船舶の離着岸の際における作業の実施

(3) 陸上施設の点検及び整備

(4) 乗船待ちの旅客に対する遵守事項等の周知

第7章 安全管理規程の変更

(安全管理規程の変更)

第20条 安全統括管理者又は運航管理者は、それぞれの職務に関し、関係法令の改正、使用船舶の変更、航路の新設又は廃止等、この告示の内容に係る事項に常に留意し、当該事項に変更が生じたときは船長の意見を聴取のうえ、遅滞なく告示の変更の発議をしなければならない。

2 町長は、前項の発議があったときは、関係の責任者の意見を参考として告示の変更を決定する。

第8章 運航計画、配船計画及び配乗計画

(運航計画及び配船計画の作成及び改定)

第21条 運航計画又は配船計画を作成又は改定する場合は、運航管理者は使用船舶の性能、使用港の港勢、航路の交通状況及び自然的性質等について、その安全性を検討するものとする。

(配乗計画の作成及び改定)

第22条 配乗計画を作成又は改定する場合は、運航管理者は法定職員が適正に確保されているか、乗組員が過労になることはないか、航路に精通した船舶職員が乗り組むこととなっているか等について、その安全性を検討するものとする。

(運航計画、配船計画及び配乗計画の臨時変更)

第23条 運航計画、配船計画又は配乗計画を臨時に変更する必要がある場合は、前2条に準じ運航管理者がその安全性を検討するものとする。

2 船舶、陸上施設又は港湾の状況が船舶の運航に支障を及ぼすおそれがあると認められる場合は、船長及び運航管理者は、協議により運航休止等の運航計画又は配船計画の臨時変更の措置をとらなければならない。

第9章 運航の可否判断

(運航の可否判断)

第24条 船長は、適時、運航の可否判断を行い、気象・海象が一定の条件に達したと認めるとき又は達するおそれがあると認めるときは、運航中止の措置をとらなければならない。

2 船長は、運航中止に係る判断が困難であると認めるときは、運航管理者と協議するものとする。

3 運航管理者は、台風等の荒天時において、船長からの求めがある場合には、第28条各号に定める事項の情報提供を行うとともに、必要に応じ、避航や錨泊による運航中止の措置に関する助言等適切な援助に努めるものとする。

4 第2項の協議において両者の意見が異なるときは、運航を中止しなければならない。

5 船長は、運航中止の措置をとったときは、速やかに、その旨を運航管理者に連絡しなければならない。

6 運航管理者は、船長が運航中止の措置又は運航の継続措置をとったときは、速やかに、その旨を安全統括管理者へ連絡しなければならない。

7 運航中止の措置をとるべき気象・海象の条件及び運航中止の後に船長がとるべき措置については、運航基準に定めるところによる。

(改正(令2告示第4号))

(運航管理者の指示)

第25条 運航管理者は、運航基準の定めるところにより運航が中止されるべきであると判断した場合において、船長から運航を中止する旨の連絡がないとき又は運航する旨の連絡を受けたときは、船長に対して運航の中止を指示するとともに、安全統括管理者へ連絡しなければならない。

2 運航管理者は、いかなる場合においても船長に対して発航、基準航行の継続又は入港を促し若しくは指示してはならない。

(町長又は安全統括管理者の指示)

第26条 町長又は安全統括管理者は、濃霧注意報の発令など運航基準の定めるところにより運航が中止されるおそれがある情報を入手した場合は、直ちに運航管理者へ運航の可否判断を促さなければならない。

2 町長又は安全統括管理者は、運航管理者から船舶の運航を中止する旨の連絡があった場合は、それに反する指示をしてはならない。

3 町長又は安全統括管理者は、船長が運航の可否判断を行い、運航を継続する旨の連絡が運航管理者を経由してあった場合は、その理由を求めなければならない。理由が適切と認められない場合は、運航中止を指示しなければならない。

(運航の可否判断等の記録)

第27条 運航管理者及び船長は、運航中止基準に係る情報、運航の可否判断、運航中止の措置及び協議の結果等を記録しなければならない。

第10章 運航に必要な情報の収集及び伝達

(運航管理者の措置)

第28条 運航管理者は、次に掲げる事項を把握し、第4号及び第5号については必ず、その他の事項については必要に応じ船長に連絡するものとする。

(1) 気象・海象に関する情報

(2) 港内事情、航路の自然的性質

(3) 陸上施設の状況

(4) 水路通報、港長公示等官公庁の発する運航に関する情報

(5) 乗船した旅客数

(6) 乗船待ちの旅客数

(7) 船舶の動静

(8) その他航行の安全の確保のために必要な事項

(船長の措置)

第29条 船長は、次に掲げる場合には必ず運航管理者に連絡しなければならない。

(1) 発航前検査(点検)を終え出港するとき。

(2) 運航基準に定められた地点に達したとき。

(3) 入港したとき。

(4) 事故処理基準に定める事故が発生したとき。

(5) 運航計画又は航行の安全に係わりを有する船体、機関、設備等の修理又は整備を必要とする事態が生じたとき。

2 船長は、次に掲げる事項の把握に努め、必要に応じ運航管理者に連絡するものとする。

(1) 気象・海象に関する情報

(2) 航行中の水路の状況

(運航基準図)

第30条 運航管理者は、船長と協議して運航基準図を各航路及び各船舶ごとに作成し、各船舶及び営業所に備え付けなければならない。

2 運航基準図に記載すべき事項は運航基準に定めるところによる。

第11章 輸送に伴う作業の安全の確保

(作業体制)

第31条 運航管理者は、陸上従業員の中から陸上作業員を、船長は乗組員の中から船内作業員を指名する。

2 運航管理者は、陸上作業員の中から陸上作業指揮者を、船長は船内作業員の中から船内作業指揮者を指名する。

3 陸上作業指揮者及び船内作業指揮者は、それぞれ陸上作業及び船内作業を指揮するとともに、両者緊密な連携の下に輸送の安全の確保に努めなければならない。

4 作業員の具体的配置、陸上作業指揮者及び船内作業指揮者の所掌その他の作業体制については作業基準に定めるところによる。

(危険物等の取扱い)

第32条 危険物その他の旅客の安全を害するおそれのある物品の取扱いは、法令及び作業基準に定めるところによる。

(旅客の乗下船等)

第33条 旅客の乗下船及び船舶の離着岸時の作業については、作業基準に定めるところによる。

(発航前点検)

第34条 船長は、発航前に船舶が航海に支障ないかどうか、その他航海に必要な準備が整っているかどうか等を点検しなければならない。

(船内巡視)

第35条 船長は、別紙「船内巡視実施要領」に従い、乗組員をして旅客室その他必要と認める場所を巡視させ、法令及び運送約款に定める旅客等が遵守すべき事項の遵守状況その他異常の有無を確認させなければならない。

2 船内巡視員は、異常を発見したときは、船長の指示を受けて所要の措置を講じなければならない。ただし、急を要する場合であって船長の指示を受ける時間的余裕がないときは、適切な措置を講ずるとともに速やかに船長に報告するものとする。

3 船内巡視員は、異常の有無(安全確保上改善を必要とする事項がある場合の当該事項を含む。)を船長に報告し、巡視結果を巡視記録簿に記録するものとする。

(旅客等の遵守すべき事項等の周知)

第36条 運航管理者及び船長は、法令及び作業基準に定めるところにより、陸上及び船内において旅客等の遵守すべき事項及び注意すべき事項の周知徹底を図らなければならない。

(飲酒等の禁止)

第37条 安全統括管理者等は、アルコール検知器を用いたアルコール検査体制を構築しなければならない。

2 乗組員は、飲酒等の後、正常な当直業務ができるようになるまでの間及びいかなる場合も呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上である間、当直を実施してはならない。

3 船長は、乗組員が飲酒等の後、正常な当直業務ができるようになるまでの間及びいかなる場合も呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上である間、当直を実施させてはならない。

(改正(令2告示第4号))

第12章 輸送施設の点検整備

(船舶検査結果の確認)

第38条 運航管理者は、船舶が法令に定める船舶検査を受検したときは、当該検査の結果を確認しておくものとする。

(船舶の点検整備)

第39条 船長は、船体、機関、諸設備、諸装置等について、点検簿を作成し、それに従って、原則として毎日1回以上点検を実施するものとする。ただし、当日、発航前検査を実施した事項については、点検を省略することができる。

2 船長は、前項の点検中、異常を発見したときは、直ちにその概要を運航管理者に報告するとともに、修復整備の措置を講じなければならない。

(陸上施設の点検整備)

第40条 運航管理者は、陸上施設点検簿に基づいて、毎日1回以上、係留施設、乗降用施設等について点検し、異常のある箇所を発見したときは、直ちに修復整備の措置を講じなければならない。なお、当該施設が港湾管理者その他の者の管理に属するものである場合は、当該施設の管理者に通知して、その修復整備を求めるものとする。

第13章 海難その他の事故の処理

(事故処理に当たっての基本的態度)

第41条 事故の処理に当たっては、次に掲げる基本的態度で臨むものとする。

(1) 人命の安全の確保を最優先とすること。

(2) 事態を楽観視せず常に最悪の事態を念頭におき措置を講ずること。

(3) 事故処理業務は、すべての業務に優先して実施すること。

(4) 船長の対応措置に関する判断を尊重すること。

(5) 陸上従業員は、陸上でとりうるあらゆる措置を講ずること。

(船長のとるべき措置)

第42条 船長は、自船に事故が発生したときは、人命の安全の確保のための万全の措置、事故の拡大防止のための措置、旅客の不安を除去するための措置等必要な措置を講ずるとともに、事故処理基準に定めるところにより、事故の状況及び講じた措置を速やかに運航管理者及び海上保安官署等に連絡しなければならない。この場合において措置への助言を求め、援助を必要とするか否かの連絡を行わなければならない。

2 船長は、自船が重大かつ急迫の危険に陥った場合又は陥るおそれがある場合は、直ちに遭難通信(遭難信号)又は緊急通信を発しなければならない。

(運航管理者のとるべき措置)

第43条 運航管理者は、船長からの連絡等によって事故の発生を知ったとき又は船舶の動静を把握できないときは、事故処理基準に定めるところにより必要な措置をとるとともに、安全統括管理者へ速報しなければならない。

(経営トップ及び安全統括管理者のとるべき措置)

第44条 安全統括管理者は、運航管理者等からの連絡によって事故の発生を知ったときは、事故処理基準に定めるところにより必要な措置をとるとともに、町長へ速報しなければならない。

2 町長及び安全統括管理者は、事故の状況、被害規模等を把握・分析し、適切に対応措置を講じなければならない。また、現場におけるリスクを明確にし、必要な対応措置を講じなければならない。

(事故の処理)

第45条 事故の処理は、事故処理基準に定める事故処理組織により行うものとする。

(通信の優先処理)

第46条 事故関係の通信は、最優先させ、迅速かつ確実に処理されなければならない。

(関係官署への報告)

第47条 運航管理者は、事故の発生を知ったときは、速やかに関係運輸局等及び海上保安官署にその概要及び事故処理の状況を報告し、助言を求めなければならない。

(事故調査委員会)

第48条 町長は、事故の原因及び事故処理の適否を調査し、事故の再発の防止及び事故処理の改善に資するため、必要に応じ事故調査委員会を設置するものとする。

2 事故調査委員会の構成は、事故処理基準に定めるところによる。

第14章 安全に関する教育、訓練及び内部監査等

(安全教育)

第49条 安全統括管理者及び運航管理者は、運航管理補助者、睦上作業員、乗組員、安全管理に従事する者、内部監査を担当する者に対し、安全管理規程(運航基準、作業基準及び事故処理基準を含む。)、船員法及び海上衝突予防法等の関係法令その他輸送の安全を確保するために必要と認められる事項について理解しやすい具体的な安全教育を定期的に実施し、その周知徹底を図らなければならない。

2 運航管理者は、航路の状況及び海難その他の事故及びインシデント(事故等の損害を伴わない危険事象)事例を調査研究し、随時又は前項の教育に併せて乗組員に周知徹底を図るものとする。

(操練)

第50条 船長は、法令に定める操練を行ったときは、その実施状況を運航管理者に報告するものとする。

(訓練)

第51条 安全統括管理者及び運航管理者は、町長の支援を得て関係者とともに年1回以上事故処理に関する訓練を実施しなければならない。訓練は、全町庁舎的体制で処理する規模の事故を想定した実践的なものとする。この場合、前条の操練は当該訓練に併せて実施することができる。

(記録)

第52条 運航管理者は、前3条の教育等を行ったときは、その概要を記録簿に記録しておくものとする。

(内部監査及び見直し)

第53条 内部監査を行う者は、町長の支援を得て関係者とともに年1回以上船舶及び陸上施設の状況並びに安全管理規程の遵守状況の他、安全マネジメント態勢全般に渡り内部監査を行うものとし、船舶の監査は、停泊中及び航海中の船舶について行うものとする。さらに、重大事故が発生した場合には速やかに実施する。

2 内部監査に当たっては、町長は、その重要性を町庁舎内に周知徹底する。

3 内部監査を行うに際し、安全マネジメント態勢の機能全般に関し見直しを行い、改善の必要性、実施時期について評価し、改善に向け作業する。

4 内部監査及び見直しを行ったときは、その内容を記録する。

5 内部監査を行う者は、安全統括管理者及び運航管理者等が業務の監査を行うほか、特に陸上側の安全マネジメント態勢については、監査の客観性を確保するため当該部門の業務に従事していない者が監査を行う。

第15章 雑則

(安全管理規程等の備付け等)

第54条 安全統括管理者及び運航管理者は、それぞれの職務に応じ、安全管理規程(運航基準、作業基準、事故処理基準を含む。)及び運航基準図を船舶、事務所その他必要と認められる場所に、容易に閲覧できるよう備付けなければならない。

2 安全マネジメント態勢を確立し、実施し、維持するために、それぞれの職務に関し作成した各種文書はそれぞれの職務に応じ適切に管理する。

(情報伝達)

第55条 安全統括管理者は、パソコン、町庁舎内LAN等を活用した輸送の安全の確保に関する情報データベース化を行うとともに、容易なアクセス手段を用意する。

2 輸送の安全に係る運航・整備等輸送サービスの実施に直接携わる部門が、現場の顕在的課題、潜在的課題等を、経営トップへの直接上申する手段(目安箱、町庁舎内メール)等を用意する。

3 安全統括管理者は、前項の上申、その他の手段等により安全に係る意見等の把握に努め、その検討、実現反映状況について町庁舎内へ周知する。

4 安全統括管理者は、輸送の安全を確保するために講じた措置を適宜の方法により外部に公表しなければならない。また、輸送の安全に係る情報を適時、外部に対して公表する。

この告示は、公布の日から施行し、平成18年12月28日から適用する。

(平成24年10月9日告示第112号)

この告示は、公布の日から施行する。

(令和2年1月28日告示第4号)

この告示は、令和2年2月1日から施行する。

運航基準

目次

第1章 目的(第1条)

第2章 運航の可否判断(第2条―第5条)

第3章 船舶の航行(第6条―第12条)

第1章 目的

(目的)

第1条 この基準は、安全管理規程に基づき、相島~新宮航路の船舶の運航に関する基準を明確にし、もって航海の安全を確保することを目的とする。

第2章 運航の可否判断

(発航の可否判断)

第2条 船長は、発航前に運航の可否判断を行い、発航地港内の気象・海象が次に掲げる条件の一に達していると認めるときは、発航を中止しなければならない。

気象・海象

港名

風速

波高

視程

相島港

10m/s以上

1m以上

400m以下

新宮港

10m/s以上

1m以上

400m以下

2 船長は、発航前において、航行中に遭遇する気象・海象(視程を除く。)に関する情報を確認し、次に掲げる条件の一に達するおそれがあると認めるときは、発航を中止しなければならない。

風速 10m/s以上

波高 2m以上

3 船長は、前2項の規定に基づき発航の中止を決定したときは、旅客の下船、保船措置その他の適切な措置をとらなければならない。

(基準航行の可否判断等)

第3条 船長は、基準航行を継続した場合、船体の動揺等により安全な運航が困難となるおそれがあると認めるときは、基準航行を中止し、減速、適宜の変針、基準経路の変更その他適切な措置をとらなければならない。

2 前項に掲げる事態が発生するおそれのあるおおよその海上模様及び船体動揺は、次に掲げるとおりである。

風速

波浪

動揺

10m/s以上

(船首尾方向の風を除く。)

波高 2m以上又はうねり

階級 4以上

横揺れ 20度以上

3 船長は、航行中、周囲の気象・海象(視程を除く。)に関する情報を確認し、次に掲げる条件の一に達するおそれがあると認めるときは、目的港への航行の継続を中止し、反転又は避泊の措置をとらなければならない。ただし、基準経路の変更により目的港への安全な航行の継続が可能と判断されるときは、この限りでない。

風速 10m/s以上

波高 2m以上

4 船長は、航行中、周囲の視程に関する情報を確認し、次に掲げる条件に達したと認めるときは、基準航行を中止し、当直体制の強化及びレーダーの有効利用を図るとともにその時の状況に適した安全な速力とし、状況に応じて停止、航路外錨泊又は基準経路変更の措置をとらなければならない。

視程 400m以下

(入港の可否判断)

第4条 船長は、入港予定港内の気象・海象に関する情報を確認し、次に掲げる条件の一に達していると認めるときは、入港を中止し、適宜の海域での錨泊その他の適切な措置をとらなければならない。

気象・海象

港名

風速

波高

視程

相島港

10m/s以上

1m以上

400m以下

新宮港

10m/s以上

1m以上

400m以下

(運航の可否判断等の記録)

第5条 運航管理者及び船長は、運航の可否判断、運航中止の措置及び協議の内容を運行管理日誌に記録するものとする。運航中止基準に達した又は達するおそれがあった場合における運航継続の措置については、判断理由を記載することとし、記録は適時まとめて記載してもよいものとする。

第3章 船舶の航行

(航海当直配置等)

第6条 船長は、運航管理者と協議して次の配置を定めておくものとする。変更する場合も同様とする。

(1) 出入港配置

(2) 通常航海当直配置

(3) 狭視界航海当直配置

(4) 荒天航海当直配置

(運航基準図等)

第7条 運航基準図に記載すべき事項は、次のとおりとする。

(1) 起点及び終点の位置並びにこれら相互間の距離

(2) 航行経路(針路、変針点、基準経路の名称等)

(3) 標準運航時刻(起点、終点の発着時刻)

(4) 船長が運航管理者と連絡をとるべき地点

(5) その他航行の安全を確保するために必要な事項

2 船長は、基準経路、避険線その他必要と認める事項を常用海図に記入して航海の参考に資するものとする。

(基準経路)

第8条 基準経路は、運航基準図に記載のとおり、常用(第1)基準経路及び第2基準経路の2経路とする。

2 基準経路の使用基準は、次表のとおりとする。

名称

使用基準

常用(第1)基準経路

周年

第2基準経路

鼻栗海域の風向きが北東で風速が10m/sを超えるとき。

3 船長は、第2基準経路を航行しようとするときは、発航前に運航管理者にその旨連絡しなければならない。

(速力基準等)

第9条 速力基準は、次表のとおりとする。

速力区分

速力

毎分機関回転数

最微速

5.0ノット

520rpm

微速

11.9ノット

1,160rpm

半速

14.3ノット

1,462rpm

航海速力

15.0ノット

1,550rpm

最高速力

19.6ノット

1,842rpm

2 船長は、速力基準表を船橋内及び機関室の操作する位置から見やすい場所に掲示しなければならない。

3 船長は、旋回性能、惰力等を記載した操縦性能表を船橋に備付けておかなければならない。

(改正(令2告示第4号))

(連絡方法)

第10条 船長と運航管理者又は運航管理補助者との連絡は、次の方法による。

連絡先・新宮町役場 連絡方法・防災無線(周波数400MHZ)

(機器点検)

第11条 船長は、入港着岸前、桟橋手前200m等入港地の状況に応じ安全な海域において、機関の後進、舵等の点検を実施する。

(記録)

第12条 船長及び運航管理者は、基準航路の変更に関して協議を行った場合は、その内容を運行管理日誌に記録するものとする。

別紙(第7条関係)

運航基準図/立花経路/鼻栗経路/2経路

1 航路名 相島~新宮

2 船名 しんぐう

3 総トン数 74トン

4 港間距離 7.5km

5 所要時間 17分

※ 船長と運航管理者との連絡地点

出港5分後

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作業基準

目次

第1章 目的(第1条)

第2章 作業体制(第2条)

第3章 危険物等の取扱い(第3条)

第4章 乗下船作業(第4条―第8条)

第5章 旅客の遵守事項等の周知(第9条第10条)

第1章 目的

(目的)

第1条 この基準は、安全管理規程に基づき、相島~新宮航路の作業に関する基準を明確にし、もって輸送に関連する作業の安全を確保することを目的とする。

第2章 作業体制

(作業体制)

第2条 運航管理者又は運航管理補助者は、陸上作業員を指揮して陸上において乗船待機中の旅客の整理、乗下船する旅客の誘導、船舶の離着岸時の綱取り及び綱離し等の作業を実施する。

2 船長は、船内作業員を指揮して、船舶上における乗下船する旅客の誘導、離着岸時における諸作業を実施する。

第3章 危険物等の取扱い

(危険物等の取扱い)

第3条 危険物の取扱いは、運航管理者の指示に従い、危険物船舶運送及び貯蔵規則等関係法令の定めるところにより行うものとする。

2 刀剣、銃器、兵器その他旅客の安全を害するおそれのある物品の取扱いについては、運航管理者の指示に従い、運送を拒絶するか又は一定の条件をつけて運送を引き受けるものとする。ただし、原則として船室に持ち込むことは拒絶しなければならない。

3 陸上作業員又は船内作業員は、旅客の手荷物、小荷物その他の物品が前2項の危険物等に該当するおそれがあると認めるときは、運航管理者又は船長の指示を受けて運送申込人の立会いのもとに点検し必要な措置を講ずるものとする。

4 船長及び陸上作業員は前3項の措置を講じたときは、その状況を運航管理者に報告するものとする。

第4章 乗下船作業

(乗船作業)

第4条 旅客の乗船は、原則として離岸15分前とする。

2 離岸15分前になったときは、船内作業員は、舷門を開放し陸上作業員に旅客の乗船を開始するよう合図する。

3 陸上作業員は、旅客を乗船口に誘導する。

4 船長及び陸上作業員は、前3項の措置を講じたときは、直ちにその状況を運航管理者に報告するものとする。

(離岸作業)

第5条 陸上作業員は、離岸作業完了後、岸壁上の状況が離岸に支障ないことを確認して、その旨を船長に連絡し、綱取係員を所定の位置に配置する。

2 陸上作業員は、船長の指示により綱取係員を指揮して迅速、確実に係留索を放す。

(着岸作業)

第6条 陸上作業員は、船舶の着岸時刻5分前になったときは着岸準備を行い、着岸に際しては迅速確実に綱取り作業を実施する。

(係留中の保安)

第7条 船長及び運航管理者又は陸上作業員は、係留中、旅客の安全に支障のないよう係留方法、歩み板等の保安に十分留意する。

(下船作業)

第8条 船長は、船体が完全に着岸したことを確認した後、その旨陸上作業員及び船内作業員に合図する。

2 船内作業員は、陸上作業員と協力して歩み板等を架設し、架設完了を確認した後、旅客を誘導して下船させ、下船完了後舷門を閉鎖し船長に報告する。

第5章 旅客の遵守事項等の周知

(乗船待ち旅客に対する遵守事項等の周知)

第9条 運航管理者又は運航管理者補助者は、乗船待ちの旅客に対して次の事項を掲示等により周知しなければならない。周知事項の掲示場所は、旅客待合所又は発着場とする。

(1) 旅客は、乗下船時及び船内においては、係員の指示に従うこと。

(2) 船内においては、乗船中の者に危害を加えるような行為又は迷惑を掛ける行為をしないこと。

(3) その他旅客の安全に関して旅客に周知すべきこと。

(乗船旅客に対する遵守事項等の周知)

第10条 船長は、船内の旅客が見やすい場所に次の事項を掲示しなければならない。

(1) 旅客の禁止事項

(2) 救命胴衣の格納場所及び着用方法

(3) 非常の際の避難要領(非常信号、避難経路等)

(4) 病気、盗難等が発生した場合の乗組員への通報

(5) 下船及び非常の際の係員の指示の遵守

(6) その他旅客の遵守すべき事項

事故処理基準

目次

第1章 総則(第1条―第3条)

第2章 事故等発生時の通報(第4条第5条)

第3章 事故の処理等(第6条―第11条)

第1章 総則

(目的)

第1条 この基準は、安全管理規程に基づき、本町の運航中の船舶に係る事故等の処理に関し、安全管理規程の運用上の基準を明確にすることにより、事故等処理を迅速かつ適切に実施し、人命の安全の確保と損害の局限を図るとともに、事故等の原因等を究明し、将来の船舶の運航の安全に資することを目的とする。

(事故等の範囲)

第2条 この基準において、「事故」とは本町の運航中の船舶に係る第1号~第4号に掲げる事象をいい、「事故等」とは事故及び第5号の事態(以下「インシデント」という。)をいう。

(1) 旅客、乗組員又はその他の乗船者の死亡、行方不明、重大な負傷若しくは疾病又はその他の重大な人身事故(以下「人身事故」という。)

(2) 衝突、乗揚げ、火災、浸水、行方不明、機関停止等重大な機関故障又はその他の救助を必要とする船舶の事故

(3) 航路の障害、港湾施設の損傷又は荒天等による運航の阻害

(4) 強取(乗っ取り)、殺人、傷害又は暴行・脅迫等の不法行為による運航の阻害

(5) 前記第1号~第3号の事象に至るおそれの大きかった事態

(軽微な事故への準用)

第3条 本事故処理基準は、必要に応じ前条に定める事故以外の本町の運航中の船舶に係る事故に準用するものとする。

第2章 事故等発生時の通報

(非常連絡)

第4条 船長は、事故の状況を運航管理者に報告する場合は速報を旨とし、判明したものから逐次追報することにより次条の項目を網羅するよう心がけなければならない。

2 船長の海上保安官署等への連絡は、初動時は「118番」による。以後、別表「官公署連絡表」により最寄りの海上保安官署等に行うものとする。

3 運航管理者は、事故が発生したときは、速やかに、事故の状況について判明したものから逐次電話(FAXを含む。)又は口頭で運輸局等に報告するものとする。インシデントが発生したときは、被害発生にまで及ばないことを見極めた上、後日資料化するものとするが、同種事案が再発する可能性が高い場合は、遅滞なく、その状況を運輸局等に報告するものとする。非常連絡事項を記載した報告様式(FAX用紙)を船舶及び事務所に備え置くものとする。

4 非常連絡は、原則として、次表によるものとする。ただし、事故の内容によっては、運航管理者の判断で、運輸局等及び海上保安部等を除き連絡すべき範囲を限定することができる。

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(改正(平24告示第112号))

(非常連絡事項)

第5条 事故等が発生した場合の連絡は、原則として次の区分により行うものとする。

(1) 全事故等に共通する事項

① 船名

② 日時

③ 場所

④ 事故等の種類

⑤ 死傷者の有無

⑥ 救助の要否

⑦ 当時の気象・海象

(2) 事故等の態様による事項

 

事故等の種類

連絡事項

a

衝突

① 衝突の状況(衝突時の両船の針路、速力等又は岸壁等への接近状況)

② 船体、機器の損傷状況

③ 浸水の有無(有るときはd項)

④ 流出油の有無(有るときはその程度及び防除措置)

⑤ 自力航行の可否

⑥ 相手船の船種、船名、総トン数、(用)船主・船長名(できれば住所、連絡先)

―船舶衝突の場合

⑦ 相手船の状況(船体損傷の状況、死傷者の有無、救助の要否等)

―船舶衝突の場合

b

乗揚げ

① 乗揚げの状況(乗揚げ時の針路、速力、海底との接触箇所、船体傾斜、喫水の変化、陸岸との関係等)

② 船体周囲の水深、底質及び付近の状況

③ 潮汐の状況、船体に及ぼす風潮及び波浪の影響

④ 船体、機器の損傷状況

⑤ 浸水の有無(有るときはd項)

⑥ 離礁の見通し及び陸上からの救助の可否

⑦ 流出油の有無(有るときはその程度及び防除措置)

c

火災

① 出火場所及び火災の状況

② 出火原因

③ 船体、機器の損傷状況

④ 消火作業の状況

⑤ 消火の見通し

d

浸水

① 浸水箇所及び浸水の原因

② 浸水量及びその増減の程度

③ 船体、機器の損傷状況

④ 浸水防止作業の状況

⑤ 船体に及ぼす風浪の影響

⑥ 浸水防止の見通し

⑦ 流出油の有無(有るときはその程度及び防除措置)

e

強取、殺人、傷害、暴行等の不法行為

① 事件の種類

② 事件発生の端緒及び経緯

③ 被害者の氏名、被害状況等

④ 被疑者の人数、氏名等

⑤ 被疑者が凶器を所持している場合は、その種類、数量等

⑥ 措置状況

f

人身事故(行方不明を除く。)

① 事故の発生状況

② 死傷者数又は疾病者数

③ 発生原因

④ 負傷又は疾病の程度

⑤ 応急手当の状況

⑥ 緊急下船の必要の有無

g

旅客、乗組員等の行方不明

① 行方不明が判明した日時及び場所

② 行方不明の日時、場所及び理由(推定)

③ 行方不明者の氏名等

④ 行方不明者の遺留品等

h

その他の事故

① 事故の状況

② 事故の原因

③ 措置状況

i

インシデント

① インシデントの状況

② インシデントの原因

③ 措置状況

第3章 事故の処理等

(船長のとるべき措置)

第6条 事故が発生したときに、旅客の安全、船体、車両の保全のために船長が講ずべき必要な措置はおおむね次のとおりである。

(1) 海難事故の場合

① 損傷状況の把握及び事故局限の可否の検討

② 人身事故に対する早急な救護

③ 連絡方法の確立(船内及び船外)

④ 旅客への正確な情報の周知及び状況に即した適切な旅客の誘導

⑤ 二次災害及び被害拡大を防止するための適切な作業の実施

(2) 不法事件の場合

① 被害者に対する早急な救護

② 不法行為者の隔離又は監視

③ 連絡方法の確立(船内及び船外)

④ 旅客に対する現状及び措置状況の周知と旅客の軽率な行為の禁止

⑤ 不法行為が継続している場合、中止を求める不法行為者への説得

(運航管理者のとるべき措置)

第7条 運航管理者は、通常連絡、入港連絡等の船長からの連絡が異常に遅延している場合又は連絡なしに入港が異常に遅延している場合は、遅滞なく船舶の動静把握のために必要な措置を講じなければならない。

2 運航管理者は、前項の措置を講じたにもかかわらず船舶の動静を把握できないときは、直ちに関係海上保安官署等に連絡するとともに第4条(非常連絡)に従って関係者に通報しなければならない。

3 事故の発生を知ったとき又は船舶の動静が把握できないときに運航管理者がとるべき必要な措置は、おむね次のとおりである。

(1) 事故の実態把握及び救難に必要な情報の収集及び分析

(2) 海上保安官署への救助要請

(3) 行方不明者の捜索又は本船の救助のための捜索船又は救助船等の手配

(4) 必要人員の派遣及び必要物資の補給等

(5) 船長に対する必要事項の連絡及び助言

(6) 医師、病院、宿舎の手配等の旅客の救護のための措置

(7) 乗船客の氏名の確認及びその連絡先への通知

(事故処理組織)

第8条 事故処理の組織、編成及び職務は、次表のとおりとする。

事故処理組織表

 

職務

町長

総指揮

安全統括管理者、運航管理者

総指揮補佐又は総指揮

救難対策班

班長 水上分団長

班員 水上分団員

事故の実態の把握、事故関係情報の収集、船舶及び関係機関との連絡、救難の実施、その他救難に必要な事項に関すること。

旅客対策班

班長 運航管理補助者

班員 水上分団員

旅客及び被災者の把握、被災者の救護、欠航便の旅客処理その他旅客(車両)対策に関すること。

庶務対策班

班長 地域協働課長

班員 地域協働課職員

被災者の近親者への連絡及び世話、報道関係者の応対(発表を除く。)、救援関係物資の調達・補給、その他庶務に関すること。

(改正(平24告示第112号))

(医療救護の連絡等)

第9条 船長及び運航管理者は、船内に医療救護を必要とする事態が発生したときは、乗船者に医師がいる場合は、その医師の協力を要請することとし、不在の場合は別表「医療機関連絡表」により最寄りの医師と連絡をとり、その指示のもとに適切な措置を講じなければならない。

(現場の保存)

第10条 船長及び運航管理者は、事故の処理後関係海上保安官署等と連絡をとりつつ、運航に支障のない限り事故の原因の調査を行うとともに、事件の捜査の対象となる場所及び物品の保存に努めなければならない。

(事故調査委員会)

第11条 事故調査委員会の組織及び編成は、原則として次のとおりとする。

事故調査委員会

 

職名

委員長

町長

副委員長

渡船運営委員長、安全統括管理者

委員

運航管理者

渡船運営委員

運航管理補助者

(改正(平24告示第112号))

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新宮町渡船安全管理規程

平成18年12月28日 告示第92号

(令和2年2月1日施行)

体系情報
要綱類集/第4編 業/第3章
沿革情報
平成18年12月28日 告示第92号
平成24年10月9日 告示第112号
令和2年1月28日 告示第4号